ピラティスと膝・腰の関係 — 体幹・呼吸・意識で変わること

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ピラティス講師をしていた頃、腰痛や膝の違和感を理由にレッスンへ来る方は本当に多くいました。中でも印象に残っているのが、デスクワーク中心の生活で長年腰の痛みを抱えていた方です。

最初のレッスンでは、簡単な骨盤の動きひとつでさえ、ぎこちなく力んでしまう様子でした。呼吸も浅く、体を動かすたびに肩に力が入ってしまう。ところが、呼吸に合わせて骨盤や背骨をひとつずつ丁寧に動かす練習を重ねるうちに、数回のレッスンで「体が軽くなった気がする」という声を聞くようになりました。

ある時、その方がふと「今まで、腰が痛いのは筋肉が足りないからだと思っていた」と話してくれたことがあります。実際には、力を入れるべき体幹がうまく使えておらず、代わりに肩や首など、余計な部分に力みが生まれてしまっていた、というケースでした。ピラティスを通じて、自分の体の使い方のクセに気づいていく——そんな瞬間に、何度も立ち会ってきました。

今回は、ピラティスが膝や腰の悩みにどう関係しているのか、講師目線でお伝えします。

なぜピラティスが膝・腰にいいのか

ピラティスというと、「難しそう」「きつそう」というイメージを持たれがちですが、実際に大事にしているポイントはシンプルです。体幹・呼吸・自分の動きへの集中・楽しむこと、この4つです。

① 体幹を意識すること

体幹(お腹まわり)が弱いと、体を支える力が不足し、その負担が膝や腰に流れていきます。以前の記事(正しい姿勢の作り方)でお話ししたSway back姿勢も、まさにこの体幹の弱さが原因の一つでした。ピラティスは、この体幹をじっくり使えるようにする練習として、非常に相性が良いんです。

② 呼吸を意識すること

ピラティスでは、動きに合わせて呼吸をコントロールすることを大切にします。これも以前お伝えした「呼吸が浅いと姿勢が固まる」という話と直結していて、呼吸を深く使えるようになると、体幹も自然と使いやすくなっていきます。

③ 自分の動きに集中すること

ピラティスは、ただ体を動かすだけでなく、「今、自分のどこが動いているか」を意識しながら行います。これによって、無意識のクセ(先ほどの体験談のように、腰以外の部分に力みが生まれてしまうクセなど)に、自分自身で気づけるようになっていきます。

④ 楽しむこと

意外と見落とされがちですが、これが実はとても大事です。体を痛めないように、と気を張りすぎると、逆に体が力んでしまい、うまく動かせなくなります。楽しみながら取り組めている方の方が、結果的に体の変化も早く感じられる傾向がありました。

膝・腰に不安がある人へのアドバイス

ここまでの内容を踏まえると、膝や腰に不安がある方がピラティスを取り入れる際に意識したいのは

  • 最初から激しい動きを求めない、体幹と呼吸から丁寧に
  • 「痛くないか」だけでなく「今どこが動いているか」を意識してみる
  • 完璧を求めすぎず、楽しめる範囲で続ける

という姿勢です。これは、これまでの記事(姿勢・歩き方)とも一貫してつながる考え方です。

まとめ

ピラティスは、単なる筋トレやストレッチとは違い、体幹・呼吸・意識・楽しむこと、この4つが揃って初めて効果を発揮します。膝や腰に不安がある方こそ、焦らずこの4つを大事にしてみてください。

参考文献